「先に生まれただけの僕 3話」ネタバレあらすじ 鳴海の学校運営方針に協力してくれる先生登場。

〈職員室〉予備校に転職することになった及川の件で騒然としている。
鳴海:僕は数学の教員免許をもっています。教育実習だけだけど…

   及川先生に辞職を迫ったのは僕なので僕が(とりあえず)何とかします

 

〈樫松物産〉
加賀谷:京明館高校を黒字にしてくれるのは問題ないが,

人事権を使って権威を振り回すなど,

調子に乗るのはちょっと…(渋い顔)

 

〈コンビニの本売り場〉
スマホで雑誌を隠し撮りをする生徒。

レジの店員がスマホのシャッター音に気づく。店長に報告。

一方の鳴海は本屋で数学の教え方の本を探し中。

参考書的なまじめな本が多いがその中に

「アクティブラーニング」の本が平積みしてあるのを見て手に取る。

 

〈コンビニのバックヤード〉
漫画をスマホでデジ万(デジタル万引き)していると

校長と真柴がコンビニに呼び出される。
真柴:2-3の門倉です。
店長:お宅の生徒でしょ?どういう指導をしているんですか?

 

~学校へ戻ってきて~
鳴海:

今回は店長に頼み込んで見逃してもらいましたがこれが

表ざたになったら京明館高校の志願者数は

確実に減ります(できれば表ざたにしたくない鳴海)

 

〈鳴海 自宅〉
鳴海:

どうやって教えていいかわからない,と彼女に電話。

 

松原:

涼くん授業するの?校長先生じゃなかったの??

今,出張でロンドンだから…

とそっけなく電話を切られる(うらやましがる鳴海)!!

 

〈翌日 朝のホームルーム〉

真柴:2時限目の数学は校長先生が担当します(イケメンの校長に教えてもらうとあって盛り上がる女子)。

〈校長室〉
柏木:門倉君を問いただすのは昼休みにしましょう…

〈職員室〉
今日の1大イベントは校長先生の授業でしょ?
原崎:校長(ナルミン)ができない様子をあざけってやる!と息巻いて見学に。

〈2-3の2時限目〉教室の後ろに見学の先生方が5名(自分の授業は自習にして冷やかしにきている)

鳴海:及川先生がおやめになられたので僕が(授業を)やります(鳴海のあたふた感が満載)

鳴海,黒板に生徒一人ひとりの名前を書いた磁石を貼りつける。

鳴海:今日は全員がゴールに入ってもらうのを目的にします。で,問題は162Pの練習の13。

数式を書く…

鳴海:目標は全員正解。全員に正解してもらいます。一人で解かなくってもいい。30分以内に目標は全員で全員がゴールすること。

三田が正解(そこへ生徒が集まって解き方を聞きに行く)
加瀬も正解。
何人か正解して教室が盛り上がっていく。

(真柴の解説)
アクティブラーニング→教師が教えないで生徒自身に学び合いをさせる授業です。

一見よさそうに見えた授業だが結局答えの分からないままの生徒が数人出てしまう。
原崎:生徒に丸投げしているだけ。やり方が分かっていない…分からないコは分からない。

鳴海:みんなで教え合って学び合うっているのをやってみたかった。数学が得意な子は分からない子に教えてもらう。教える方も自分が分かっていることでも理解を深めることができる。そういうことを実践してみたかった。次からは本当の数学の先生が来ます。
山崎(時間内に解けなかったコの一人):関数とか微分積分とか使うことあるんですか?
鳴海:(役だって)ないです。
生徒たち:そうだよ,絶対必要ないって。
鳴海:それは社会人になっては必要ないけど…勉強すればいい大学に入っていい会社に入っていい生活ができる。確信はないけど,その確率は上がる。
(あいまいな返事で不満そうな生徒達)

見学の先生:期待していたけど残念な結果。職員室では偉そうなこと言って自分は何も教えられないじゃない…と悪口。

〈保健室〉
鳴海:何で(先生を)やるなんて言っちゃったんだろう。後悔しています。綾野の指導する気持ちの源は何ですか?
綾野:私の仕事のモチベーションの半分は母校愛(綾野は京明館女子高校時代のOG)です。それといちいち保健室に来ない!!

~そこへ柏木から電話~

〈昼休み,門倉の事情聴取〉

柏木:定額か謹慎か何らかの処分は仕方ない。その前に保護者に来てもらわないと…
真柴:デジタル万引きは営業妨害・著作権違反。だけどご自分の責任にしたくないんでしょ?授業はできない,生徒指導もできない。それなら現場は私達に任せてください。で,門倉はどうしたいんですか?
鳴海:彼を処分したくない。
真柴:では罰することよりもやってはいけない事だと指導します。

門倉入室。
校長がいることでビビる門倉

真柴:駅前のコンビニで雑誌の漫画をスマホに撮ったでしょう。

~防犯カメラの証拠を見せられる門倉~

門倉:これはメールを見ているだけです。
真柴:じゃあ携帯を見せて。あなたが撮っていないならみせれるでしょ?写っていなかったら謝るから携帯を見せなさい。

真柴はなぜか後ろを向く。あとの二人も同様に後ろを向く。
(あえて携帯の写真を消させる時間を作る。門倉はもちろんその間に盗み取った写真を消す)

真柴:(携帯のアルバムに漫画の誌面が載っていないことを確認して)本当ね。私の勘違いですね。謝ります。門倉君,ごめんなさい。でも他人に勘違いされるようなことはもうしないで。

~門倉退出~
真柴:あれだけ脅せばもうやらないでしょう。何かご不満でも?
鳴海:いえ。
真柴:授業があるので失礼します

柏木:いや~さすがですね。私にはあんなこと出来ない。

〈鳴海自宅〉
携帯で彼女にメールを送る。
鳴海:悩みが多すぎるよ(泣きスタンプ
松原:明日の10時には日本につくから連絡するね。

〈ロンドンのホテル〉
後藤田:明日に帰るって連絡しているの?もう会社の人間じゃないのになぜいつまでもつき合っているのか?(の風に責められる)
松原:それは‥‥(返答に困る)職場は変わっただけですとだけ発言。

~後藤田に責められて?水族館で鳴海に今は結婚を断られたことがよみがえる松原~

〈校長室〉
数学の非常勤。校長が決める。…先生たちにお任せします…と弱気な鳴海。

そこへ郷田:校長のせいで僕にとばっちり。「物理の授業なんて受験以外の役立つんですか?」と質問攻めにあう。古文も日本史も同様に生徒に責められて「校長のせいだ!」と憤慨する職員達。

〈鳴海・島津 校長室〉
島津:アクティブラーニング。うまくいかなかったそうですね。アクティブラーニングには手法があってその手順を踏まないとうまくいかない。島津はインストラクショナルデザイン(アクティブラーニングを実践する理論)をアメリカで留学して実践してきた。前の校長はアクティブラーニングが成功する保証がない,といってやらせてもらえなかった。

鳴海:僕は大丈夫です。やってみてもらえませんか?

1-3島津の授業。全部英語で話す(重要な単語は日本語で板書)。

英語の授業が始まる。(どんな会話も英語だけで話す。向かい合って絵の間違い探しを始める生徒たち)
活気があって生徒たちがやる気になっている授業。

~授業最後の質問~
生徒:今日の授業は楽しかったんですけどなぜ英語を勉強しないといけないのですか?自動翻訳機が開発されているのに無理して勉強する必要はあるんですか?
島津:(僕の意見だ,と断って)20年後の人口は今の半分の6470万人。2060年には人口はいまより40%減。日本は労働者不足になる。外国人労働者を雇わざるをえなくなる。海外に出て労働者を確保しなくてはいけなくなる。さらにインターネットの情報も英語半分以上が英語。君たちが大人になる時に外国の人々と深く関わらざるを得ない。これが僕が英語を学ばないといけないと思う理由です。

神妙な面持ちで聞く生徒。

〈授業後〉
島津:いままで「なぜ英語を学ぶのか」って言うことを生徒に聞かれたこと無かった。これは校長先生のおかげ。社会人になって役立つ力を養いたいっていう校長先生の意見も同感です。でもその前になぜ勉強しなきゃいけないのか,それを分からせないと。高校生を子ども扱いをしていたら分からせられないと思います(今のベテラン職員たちは高校生を子ども扱いしている場面がよくみられた)。

〈体育館〉全校集会
校歌

(以下 鳴海の話)
今日の校長先生の話は長いです。

2-3の授業で「今の勉強は何の役に立つんですか?」と私に聞きました。
因数分解三角関数を習って何が役立つのか…僕も高校時代同じ疑問を抱きました。でもそれは今は役立っている。微分積分を会社で(仕事で使)うことはないけど役だっている。なぜかというと,

数学って答えにたどり着く過程を考えることが大切。正しい判断をする力を養う。
例えば,社会人になって怪しい儲け話が自分に舞い込むこともある。でも数学ができれば,こんなにもうけが出るはずない,この手口はここに穴がある,等自分で正しい知識で判断できる。物の考え方や論理を学び,それが世の中を渡っていくスキルになる。それが数学だと思います。

(いつもつけていた樫松物産のバッジをはずしていいる。)

あとスマホで写真を撮るのは違法です。漫画家さんの命を削って書いた漫画を無断で写真を撮ってネットで拡散されたらその人の収入はゼロです。その人が大好きだと言ってやっていることが実はその人を苦しめている。君たちもこれから生きていくには仕事をしないといけない。その過程でそんなことをされたらいやだろう…と諭す。
今は保護者の方が働いてお金を稼いで君たちを学校へ行かせてくれているんだ!!

柏木:拍手!!!(と一人拍手をする)

うつむく生徒たち…

校長室の机の上に樫松物産の社員バッチが置いてある(鳴海の教育者になるという意思の表れ)


3話終わり

【感想】
今日は勉強の本質を聞かれる回。いままでありきたりな授業だけをして漫然としていた先生たちの間に「自分の教育はこれでいいのか」とちょっと風が吹き始めます。校長の考えに同調してくれる先生も現れ,学校全体が少し動きだしそうな気配ですが…